戒名にランクなし!全て3万円の本寿院の戒名授与について徹底解説!

戒名は、本来は生前に仏門に入るために出家して、戒律を受けた人が受ける名前ですが、現在では死後、僧侶から授けられるのが一般的です。

死後に仏教徒になった事を意味しており、浄土に導き成仏させる願いも込めて戒名を授けられているのです。

しかし、その戒名を授かるためには大きな費用がかかります。一番安くても、相場は20万や30万と言われています。

そのため、戒名を授かることを躊躇する、もしくは「戒名はいらない」と言う方も多いのでしょう。

そういった方々のために、戒名をどの宗派でも、どのランクでも、一律3万円で授与してくれる本寿院というお寺があります。

本記事では、戒名を授かるうえでは革命的といってもいいお寺、本寿院について詳しく解説します。

戒名は必要なのか。

まず、私は戒名を必ずつけなくてはいけないと思っているわけではありません。

日本のように、戒名が葬儀を執り行なわれるときに必須となったのは江戸時代に入ってからです。

戒名が定着しだして間もない頃は、出家者に限定して戒名が与えられていました。

しかし、一般民衆でも死後、極楽浄土へと辿り着けるように、生前に使用している名前ではなく戒名をつけて葬儀をすることが広められていったのです。

江戸時代以降は、庶民の葬儀も僧侶が執行することが一般的となり、戒名の習慣についても一般化されたと言えます。

ですから一昔前までは、戒名は必要かなど考える必要はなかったと思います。誰しも極楽浄土へ往生したいという思いがあったはずです。

そして見送る側も、亡くなった後は苦しみのない、安らかな場所で過ごしてほしいとの思いから、仏様とのご縁を繋ぐ戒名をつけて見送ってきたのです。

戒名を授かって仏様の世界へいくという考えは、見送る側、亡くなっていく側、両者に安心を与えてきました。

だから私は戒名や極楽浄土という思想で、死後、もしくは死への不安が少しでも解消されるのであれば戒名は必要であり、授かっていただきたいと思っています。

死んだら無になると考えられている方には必要のないものです。

しかし問題となっているのが高額のお布施です。

「戒名は要らない」と思われる方が増えている。その理由を聞くと、経済的な理由がほとんどのようです。

すると、自分の安心がほしい、又は親のためにせめていい戒名を贈りたいと願っていても、経済的な理由から断念せざるを得ない。そんな方もおられるかもしれません。

戒名のランクと費用について

最初に一般的な戒名の相場を簡単に記載しておきます。

①信士および信女

信士および信女は、最も一般的な戒名となっています。

戒名の中では一番低いランクとなっていますが、一般的な戒名であるとご認識いただきたいと思います。費用は20万~30万、高くても50万円以下で授かることが可能です。

一番低いランクでこれだけします。
費用の安い戒名でも良い?信士・信女の意味と費用について解説 。葬儀の知識として知っておきたいのが戒名についてです。 仏教の宗派によって戒名のランクや呼び方も変わってきます。それに伴い、かかる費...

②居士および大姉

信士および信女の次にランクが高いとされている戒名です。

「故人に対して少しでも高い戒名を付けて極楽浄土に行ってほしい」と考える人が授かることの多い戒名となっています。費用は、50万円~80万円程度となっています。

③院信士および院大姉

院号と呼ばれる戒名であり、元来は天皇が退位したあとに移り住んだ家およびそこに住まう上皇を指すものでした。

この戒名は、元来は存命中においてお寺を建てるなど、寺院に大きな貢献を残した人および相応の地位もしくは身分がある人にだけ授けられていた限定的な戒名です。

現代では、院号に見合った費用を支払うことで、お寺を建てるなど寺院に大きな貢献を残した人および相応の地位もしくは身分がある人以外でも授かれる可能性があります。

費用は、100万円以上とされています。

④院殿号

戒名の中では、最高ランクに位置するものです。
院および殿とは、そこに住んでいる高貴な方の名称そのものであり、元来は天皇貴族位の高い武士など限定的に授かることができました。

それらの参考として、徳川家康も院殿の戒名を授かっていることで有名です。
現代においても、院殿号の戒名は費用を払うだけでは授かることができず、相当の功績を残した人でなければ授かることができない戒名と言えるでしょう。

なお、費用については不明となっていますが、500万円~1,000万円とも推測されています。

3万円で戒名を授かることの出来るお寺「本寿院」。

上述したように、金額からいえば、戒名とは故人が極楽浄土に行けるように授けることができる、非常に格式の高い行為であると言えます。

しかし仏教は全ての人にひらかれたものであるはずです。お金がないから戒名を授かることが出来ないなどということがあっても良いのか、そう思い3万円で戒名を授けることを決めたのが本寿院三浦尊明住職です。

本寿院は、テレビなどのメディアでも紹介されています。

一般的な戒名は、上述したようにランクによって費用が異なります。
しかし、本寿院では戒名のランクによって費用に差が出ることはなく、一律となっているのです。

なお、本寿院の考え方として、戒名を他の商品のようにたたき売りをしているわけではありません。

あくまで故人を最大限に尊重して、その方に最もふさわしい戒名とは何かを熟慮したうえで授けてくれるのです。

時には深夜まで考えることもあるそうです。

三浦住職は戒名料というものはなく、すべて「お布施」であるといわれます。

しかし、お布施といわれると困られることもある。

だから種類に関係なく、全て「3万円」という目安を公表しています。年会費や寄付金など他にかかる費用も要りませんし、檀家になる必要もないのです。

以前は無料で授けていたそうですが、それでは「タダより高いものは無い」と心配される方がいることから、今は3万円だとのことです。

戒名は形式を保ち伝わってきたものですので、他の寺院から、戒名の安売りと批判を受けているようです。それでも必要な方に戒名が届くようにとの三浦住職の覚悟は相当なものだと思います。

費用のことより、供養が先」

本寿院のホームページにも三浦住職の著書にも出てくる言葉です。

費用が無ければ何回払いに分割しても良いし、いつから払っても良いということです。

供養したいとの思いに応えたいという三浦住職の思いが伝わってきます。

毎月1,000円ずつの方もおられますし、催促なしの出世払いの方もおられるようです。

生前戒名として


※本寿院ホームページ

本記事では、亡くなった後につける戒名としてご紹介をしています。

亡くなった後に、経済的な理由などで戒名をつけたくてもつけられなかったという方は是非相談してみて下さい。

申込みをされたら、三浦住職から電話があるようです。

また、本寿院では生前戒名を授けられた方もたくさんおられます。

三浦住職も、生前に戒名を授かり、仏様と結縁されて下さいとお話されています。

戒律を守るということは簡単なことではありません。しかし、守れなくても戒律を意識するだけで、生き方を変えていくその転機になります。

新しい名を授かることで生き方をあらためて考え、残りの人生を豊かなものにしていってほしいとの願いがあります。

本寿院では授戒会をおこなっています。お寺でも執り行われますし、今ではオンライン授戒会もあります。(強制ではありません)

参加は無料です。

本寿院で戒名をつけるにあたって気を付けること

3万円で戒名を授かれることは、多くの人にとって経済的に助かることです。

しかし、戒名の格式を保ち、相場通りに戒名を授けているお寺からは良く思われないということがあります。

三浦住職の著書「戒名って高い?安い?」の中に、あるお寺さんからの批判が紹介されていました。以下2点紹介します。

3万円でつけてもらった戒名は違うお寺では使えない

戒名をつけるということは、戒名をつけてもらったお寺の檀家になるということ。だから、3万円の戒名をもって違うお寺に納骨をお願いしても断られる。だからこれはかえって迷惑な行為である。

元々、戒名が高いため、つけたいがつけられない人のための三浦住職の願いでありますので迷惑な行為には思えませんが、この批判にはごもっともな部分もあります。

本寿院で3万円の戒名を授かり、付き合いのあるお寺に納骨をお願いしても、

「うちでつけた戒名でないと出来ません」

と言われる可能性はあるようです。

そうなる前に、元々の付き合いのあるお寺が経済的に配慮をして戒名を授けてあげてほしいですが。

なので、三浦住職も

「菩提寺(付き合いのあるお寺)がある方は、必ず菩提寺の住職に相談してください。菩提寺のある方の授戒はお断りしております」

と言っておられます。他のお寺の檀家さんにも安く戒名をたたき売りしているわけではないのです。「どうしても高くてつけられない」、または「何からしていいのか分からない」、そういった方々の駆け込み寺なのです。

信じる心があってこその戒名である

次に戒名は商品ではないという批判です。

本寿院には、直葬をした後でやはり戒名をいただきたいという方からも連絡が来ますが、葬儀をせずに後から戒名や位牌をいただいて意味があるのかというものです。

直葬では通夜と葬儀をしません。

仏教を信じ戒名をいただくのに、そもそもお葬式を簡略してしまっているではないかということでしょう。

また本寿院では全ての宗派に対応しています。そして本寿院は天台系の寺院です。教えは宗派によって違うのに、どの宗派にも対応するのは教えに背いているのではないかということでしょう。

こちらも三浦住職は、宗派にこだわりを持っている方に無理に戒名を授けるということはしません。

浄土系の家で育ち、天台系の寺院で戒名を授かることに違和感をもたれる方もおられるでしょう。

仏教は元を辿れば、お釈迦様から始まる一つの教えであるという考えに納得される方は是非ご相談ください。

まとめ

本寿院は、供養の気持ちをもっていながらお布施の心配で先に進めない方のためにあるお寺です。

確かに戒名は大切なものですし安易な安売りはいけないでしょう。

仏教の教えは大切ですし、どの宗派でも良いと宗派にそぐわない戒名をつけてはいけないでしょう。

しかし、それでは戒名をつけたい気持ちをもっていても、つけられない人がいるということにも目を向けなければいけません。

そもそも、戒名の最低金額が20万円からというのも見直さなければいけない時期が来ているのではないでしょうか。

直葬をされた方、戒名をつけてない方が、ただ儀式を簡略化したわけではありません。

仏教の儀式は形式が決まっていることが多いですが、1人1人の事情にもっと対応していくことが求められているのではないでしょうか。

戒名はつけたいが、

・菩提寺はない

・宗派にはこだわらない

・何十万も払うことはためらわれる

このような方は、相談されてはいかがでしょうか。

ABOUT ME
まんじ
石川県の終活アドバイザー。葬送儀礼について発信しています。