仏壇の魂抜きやお焚き上げをお寺にお願いする。その準備と手順。

最近、「仏壇じまい」という言葉をよく聞きます。

言葉だけ聞くと寂しい気持ちにもなりますが、そこには人それぞれの事情があります。

昨今の承継者不在をはじめとした様々な時代の流れが先祖供養にも大きな影響を与えていて、お墓だけに限らず「家にある仏壇を将来どうすれば良いのか」を悩む方が増えています。

仏壇は先祖や仏様を感じてきた大切なものであり、軽い気持ちで捨てられるものではありません。

今回は暮らしの仏教振興会から出ている『仏壇じまい~仏壇・仏像・位牌の片付け・処分方法』を参考に仏壇の処分に向けての準備、そしてお寺に魂抜きやお焚き上げお願いする場合を解説します。

代々ずっと伝わっていくと思っていたものが、どこで途絶えてしまうか分からなくなりました。

子どもが皆、嫁いだり実家を出ることは当たり前になりました。
独り身の方、又は連れ合いの方を亡くし一人暮らしをしている方も多い社会です。

今すぐに行動を起こす必要はないかもしれませんが、いずれやらなければいけない可能性もある。仏壇の終い方を知っておきましょう。

仏壇じまいの準備

仏壇じまいと言っても、仏壇の中にはたくさんのものが入っています。

・仏壇の中心である本尊
・先祖代々の位牌過去帳
仏具
戒名法名が書いてある紙や記念品

処分をお願いするにしても、やはり一度整理しなくてはいけません。

ガサッと手に取って捨てるわけにはいきませんよね。

整理して供養をしてから処分をします。処分する時のそれぞれの扱いを知っておきましょう。

本尊

本尊は仏壇の中心です。各宗派の仏様が安置されていて、仏壇に手を合わせるときは、この本尊に礼拝します。

本尊には3種類あります

①仏像(仏を模した像、木で作られるものが多い)
②絵像(掛け軸に仏の絵が描かれているもの)
③名号(浄土真宗の家庭では南無阿弥陀仏と書かれた掛け軸が本尊とされる)

仏壇の中心であり、一番大切なものですので、仏壇が家に入るときにもこの本尊に魂入れという儀式をします。

皆さんの代でこの魂入れをされた方は少ないかもしれませんが、皆さんのご両親や祖父母、その方々より以前のご先祖が仏壇に魂入れをされているはずです。

なので最後に魂抜き(供養)をしてからお焚き上げ(焼却)をして丁寧に処分しましょう。

位牌・過去帳

位牌には先祖が宿っていると私たちは考えますので、位牌も魂抜きをしてお焚き上げの対象となります。

過去帳に関しては魂入れをしていないため、魂抜きをする必要はありません。33回忌などの弔い上げの供養が終わっているのであれば、お焚き上げをして処分します。そのまま捨てることは避けましょう。

先祖代々の名前が書かれているものなので、仏壇を処分しても過去帳は持っておくことをお勧めします。自分のルーツを知りたくなることもあるはずです。
法事をする意味。家から個人へ、弔い上げという慣習。日本人が大切にしてきた慣習として「法事」があります。四十九日から始まり、多くは三十三回忌まで勤められてきました。 今、私が生きてい...

法事などの供養をしていなければ、最後に手を合わせるなど丁寧に扱いましょう。

魂抜きは必ずしなければいけないわけではありません。ただ、大切な人や物との別れのときには特別な時間を設けるということです。

様々な仏具

本尊、位牌や過去帳以外のものは仏具です。

『仏壇じまい~仏壇・仏像・位牌の片付け・処分方法』より

これらの仏具は宗教的なものではないため、魂抜きなどはおこなう必要はなく、自治体の分別に従って処分して良いということです。

しかし石川県に多い浄土真宗の金仏壇の仏具はどれも金色で出来ているので、一つ一つが立派なものです。捨てるには抵抗があると思います。

本尊や位牌と一緒に供養してもらって、処分してもらいましょう。

戒名や法名・記念品

本書には載っていなかったものですが、意外に仏壇の中にたくさんあるのがご先祖の戒名法名が書いてある紙や東本願寺などに納骨や参拝をしたときの記念品です。お経の本などもあるでしょう。

法名や戒名は仏壇供養に出す前に整理しておきましょう。戒名や法名は仏壇を処分するときに必ず処分する必要もありません。

もちろんお焚き上げ供養をしたり、丁寧に処分しても良いです。しかし、そこまで場所をとるものでもありませんし、引き出しに閉まっておいていただければと個人的には思います。

「どれが何かもう分からないし・・・」という状態であれば処分されても良いでしょう。

石川県では浄土真宗が多いので法名が多いですが、どれが誰の法名か分からないというお話はよく聞きます。

お寺に魂抜き、お焚き上げをお願いする

普段からお付き合いをしているお寺(菩提寺)があればそこにお願いしましょう。魂抜きもおこなってくれます。

菩提寺がなければ、郵送で引き受けてくれるお寺はありますのでインターネットや電話で探して聞いてみましょう。費用が不明確な場合がありますので絶対に確認してください

費用を調べてみてこちらから金額を提示して聞いてみても良いですね。

本書では大阪市の實相院というお寺が紹介されていました。ここでは金額から手順まで記載してありますので紹介させていただきます。

お寺に仏壇を送る場合ですね。仏壇供養をしているお寺ではどこも流れはそう変わらないと思いますので参考にされてください。

サイズを測る

まず、サイズを測ります。實相院のホームページにはサイズの測り方やそのサイズによっての配送方法等が記載してありますので初めてでも分かりやすいと思います。

A(高さ)+B(幅)+C(奥行)をまず測ります。

この三辺の和のサイズによって配送方法や仏壇供養の料金が変わってきます。

配送する

(A+B+C)が170センチ以下で重量が25㎏以下の場合は「ゆうパック」がおススメのようですね。

郵貯のページで計算してみた結果、石川県から實相院のある大阪までの送料は、2,410円となりました。

170cmの想定で計算しました。

そして(A+B+C)が260cm以下で重量が50㎏以下であれば、佐川急便の「飛脚ラージサイズ宅配便」がお勧めされています。

北陸を出発して関西に到着だと、5,995円になりました。

實相院のサイトから申し込む場合は申込用紙も同封します。

昔の仏壇であれば、それをさらに超える大きさのものもあるかと思います。家財宅急便であったり、引っ越し業者であったり料金は1万円を超えてしまうようですが運んでくれるところにお願いしましょう。

仏壇供養の金額は?

こちらも實相院を参考にさせていただきます。

仏壇供養の料金
サイズ(三辺の和) 金額
120cmまで 15,000円
200cmまで 25,000円
250cmまで 30,000円
300cmまで 35,000円
350cmまで 40,000円

仏壇と本尊(3体まで仏像又は掛け軸)そして周辺の仏具が料金に含まれています。位牌と過去帳は含まれません。別にお焚き上げからの申し込みが必要となります。

お焚き上げ料金

〇仏像・位牌・過去帳など・・・5,000円
〇仏具・念珠など・・・3,000円
〇塔婆・お守りなど・・・2,000円

上記のようになっています。

寺院到着後の仏壇供養

この實相院では、預けた仏壇を1週間以内に一度組み立て飾りつけをして魂抜きをしてくれるようです。

丁寧ですね。魂抜きの法要の動画も載っていました。

そして供養が終わってから一か月以内に解体し、本尊はお焚き上げして、それ以外のものは廃棄する形になるとのことでした。

そして最後に完了の連絡があります。希望される方には供養の様子の写真も送付されるようです。

最後に

本記事では『仏壇じまい~仏壇・仏像・位牌の片付け・処分方法』を参考にさせていただきましたので、紹介されていた實相院のホームページを調べてまとめさせていただきました。

もちろん寺院だけでなく仏壇じまいに数多くの実績がある仏壇店も地域にはありますし、石川県では仏壇じまい業者の比較サイトもあります。

お店からの距離や仏壇の大きさによりますが、實相院とそう変わらない印象を受けました。

しかし、仏壇を取りに来てくれるところもありますし、大きなものですからそちらを選ぶのも一つです。(別途作業量がかかることが多いです)

葬式やお墓の際にも言われることですが、複数の業者を自分で見比べて選ぶようにしましょう。

最後まで読んで下さりありがとうございます。

 

 

 

 

ABOUT ME
まんじ
石川県の終活アドバイザー。葬送儀礼について発信しています。