「互助会」という言葉を聞いたことがある方は多いと思います。
しかし聞いたことがあるくらいで、深く理解する機会が少ないのがこの互助会です。
私は勉強するまでは、「お葬式への積立のことですよね?」という理解でした。
正解ではありますが、正しく互助会を理解するにはまだ足りません。
〇自分や家族の葬儀にかかる費用
〇互助会の積立額
〇互助会に入る、関心をもつメリット
〇互助会のデメリット
この四点を押さえておかなければいけないと思います。押さえておかないと誤解を招くこともあります。互助会に関するトラブルはよく聞きます。
すでに入っている方はもう一度確認していただきたいですし、互助会に関心をもたれている方は参考にして下されば幸いです。
自分や家族の葬儀にかかる費用
2022年の3月に葬儀の依頼件数が一番多い、小さなお葬式が調べたところによれば、葬儀費用の全国平均は161,9万円という数字になっています。
しかしもちろん、これがあなたやあなたの家族の葬儀にかかってくる費用になるとは限りません。同じ小さなお葬式調べで、私の住む北陸の平均費用は203,2万円と出ています。
また、2017年の日本消費者協会のアンケートでは全国平均は195万円になっています。
コロナ禍ということもあり、葬儀にかかるお金は時期や地域でかなり変動します。
葬儀についての知識をもって、必要なものと必要でないものを見分けられたり、葬儀社の見積もりを比較したり出来ればこれよりも安く済むかもしれませんし、参列する方が多ければ費用は上がってきます。
参列者への飲食接待の有る無しやお寺さんへのお布施でかなり金額は変わるでしょう。これらの費用も試算されている葬儀社も多々ありますので、気になる方はお近くの葬儀社のホームページを見てみて下さい。地域によりますので、全国平均よりもそれが一番近いかと思われます。
葬儀の費用に詳しくなる必要はありませんが、葬儀にかかる費用の概要はつかんでおくと良いですね。
互助会の積立額
次は互助会で積み立てる額についてです。
大切なことは、互助会で積立する金額は葬儀の費用の一部だということです。
積み立てたけど、結局葬儀代には足りなかったという意見も散見しますが、互助会の使い方として、葬儀代を全て賄うお金を預けるわけではないことは覚ておいて下さい。
一度に大きなお金を支払うのは誰でも厳しいです。その負担を分散するのが互助会です。
プランによって違いますが、月々1,000円~5,000円の掛け金を60回~120回支払うというのが一般的です。
2,000円×120回(10年)=24万円
3,000円×100回(9年2か月)=30万円
5,000円×100回(9年2か月)=50万円
こう見ると、葬儀の費用を全て積み立てるわけではないことが分かります。合計で24万円積み立てるコースが一番多いようですね。
私が思う互助会に入るメリット、関心をもつメリット
葬儀にかかる金額を少しずつ積み立てて用意することは非常に大切だと思います。
積立するだけであれば、互助会に加入しなくても自分ですることも出来ます。しかし、互助会員になって積み立てることによる強制力やお金の拘束力をうまく使って貯めるということも方法の1つです。
また積立の他にもメリットがあると思っています。そして互助会に入らずとも、関心をもち調べてみることは急に葬儀に関わることになったときに本当に役に立ちます。
葬儀プラン等の割引(互助会に入るメリット)
まず①番ですが互助会員になることで、会員となった葬儀社の祭壇セットや会館使用料などが割引されます。どの会社のホームページを見ても、20%以上は割引をされている印象を受けます。
葬儀社からすれば、会員になってもらうことで自分の会社で葬儀をすることが約束されるので、この値引きは会員になってもらうために必要なものでしょう。
一般葬であれば、会館使用料や祭壇セットは合わせて数十万は確実にしますので大きなメリットと言えます。
会社によっては貸衣装であったり、ご遺体の搬送の料金の割引があるところもあるでしょう。積み立てをして分散し、さらに割引があるということになります。
葬儀に関する知識を得る(互助会に関心をもつメリット)
そして②番ですが、葬儀に関する知識を得ること、これも大切です。
私はこの互助会について調べるに当たって、何社かの葬儀社のLINEや互助会のLINEに登録しましたし、パンフレットやネットで調べてみました。
すると様々な葬儀についてのトラブルも目に入りました。
多いのは、提示されていた金額よりも大きな額を請求されたというものです。
見積もりに記載されていないスタッフ料であるとか部屋代であるとか、かなりの追加料金を請求されるということでした。
問題が起こってから知り、そこから解決に向かうのと、問題が起こる前に確認するのでは使う体力が全然違います。
葬儀について「たくさん勉強をしましょう」というわけではないのです。どんなトラブルがあるのか、自分が使うであろう金額の目安を把握するくらいで良いのです。
少し関心をもつだけで、それくらいの情報であればすぐに辿り着けます。知っていれば聞くことが出来ます。
互助会から近隣の葬儀社を探すのも良いですし、近隣の葬儀社を調べて互助会はあるかどうかなどを調べてみるのも良いと思います。
生きている間に葬儀について考えるのは、縁起が悪いと考えられています。
事前に見積もりを取りましょうとよく言われますが、忙しい毎日の中でそのような時間を取ることは先送りにされがちです。
身内が亡くなってから葬儀社を選んでいては、元々の金額も、目の前に表示されている金額も何が適正なのか判断することは中々難しいです。
ゆっくり調べる精神的余裕はありませんし、言われるがままというのが、葬儀において後悔する一番の原因だと私は思っています。
互助会のデメリット
葬儀の形は変わる
会社を選び、互助会に入る時はあらかじめ葬儀のプランを選ぶものも多いです。
一般的な通夜と葬儀の2日間のプランであるとか、使う祭壇や棺の種類であるとか、細かな使用する道具まで指定してあることもあります。
そうすると私たちが使うときには、その形が時代の主流では無くなっているということもありえます。
身内だけの葬儀になり、大きな会館を使う必要がなくなる可能性もあるでしょう。
なので互助会で積立や割引をせっかく活用しても、大きなプランで大きな金額を積み立てると周りに比べて高い金額となってしまう可能性もあります。
大きな金額を積み立てて、小さい規模の葬儀になった場合でもお金は返ってきません。積み立てたお金はサービスで返ってくるのが互助会です。
通夜と葬儀の無い直葬でなければ、互助会の一般的な金額である24万円を下回ることはほぼ無いと思います。積み立てたお金が無駄にならないように、葬儀の形式の行方にも少し関心をもって世の中の動向をチェックしていきましょう。
解約手数料が高い
そして一番のデメリットと言われるのが解約手数料です。
解約手数料は積み立てた金額の10%~20%程になります。
解約する時に20万円積み立てていたら、2万円~4万円の手数料が取られるわけです。
入会の時の契約書にはもちろんこの解約手数料の項目はありますが、葬儀社のホームページを見ているだけではこの解約手数料が分からないことが多いです。
積立の金額を出来るだけ小さくすることをおススメしますが、
〇掛け金の支払いが厳しい
〇葬儀場をどうしても変えたい
〇身内だけの葬儀で良い
こういった理由から解約するケースはあるようです。
国民生活センターや経済産業省に相談するのも良いですが、やり取りや手間が面倒です。
私は積み立てて割引を利用するためのリスクと捉えています。入る時にしっかり納得をして、分からないことを質問するようにしましょう。質問をするために、この記事に書いてあるくらいの知識を是非入れておいて下さい。
最後に
今は葬儀社によっては、互助会ではなく会員となることで葬儀の割引サービスを受けられるという会社も多くあります。
入会する時にお金を支払いますが、お金を積み立てていくわけではありません。積み立てることなく、その葬儀社の割引を受けられるわけです。そちらの方が本記事に書いたようなデメリットは少ないです。
入会費は無料~1万円くらいのものが多いです。
近くの葬儀社で葬儀をすることが多いでしょうから、そこに互助会がなければ、その葬儀社の会員になることをおススメします。分散は出来ませんが、分からないことを聞きやすい環境になります。
身内が亡くなり、そこから葬儀社とのお付き合いが始まるということは避けていただければと思います。葬儀のお金は高いというイメージが付きまといますが、地域に寄り添った良い葬儀社は多くありますので、是非一度調べてみてください。