浄土真宗大谷派の法名の金額は?

「法名の金額はいくら?」

と気になったことがある方もおられるのではないでしょうか?

法名という呼び方と、戒名という呼び方がありますが、今回は浄土真宗大谷派で使われる法名について取り上げたいと思います。

法名というのは帰敬式という儀式を受けることによって授けられる仏弟子としての名前です。

その帰敬式を受けることへの礼金が法名を頂く際にかかる金額です。

浄土真宗以外の仏教各派でつけられる戒名にはランクがありますが、この法名にはランクはありません。

お布施については本来金額を設定するものではありませんが、帰敬式を受ける際の礼金は各団体において設定されています。その金額を見てみましょう。

東本願寺で帰敬式を受ける場合

京都の東本願寺のホームページを見ると、帰敬式は午前と午後の2回、毎日行われているようです。金額ですが、

21歳以上 20歳以下
10,000円 5,000円

と記載されています。

法名というと、もっと高い印象を持っておられた方も多いのではないでしょうか?

法名とインターネットで検索すると、「20万円からが相場になります」とか「10万~30万円と他の宗派よりも安いです」という書かれているページも見られます。

法名が無いと、亡くなった方が極楽浄土に往生出来ない。もしこのような意味合いでつけられるものであれば高額になってしまうのも仕方がないのかもしれません。感情的に、あまり安いと心配になると思います。

しかし浄土真宗においては、仏の教えを聞く人生を歩む、その誓いの名前が法名です。お釈迦様もたくさんの人に教えを聞いてほしいはずです。その誓いに高額のお金がかかるのはあってはいけないことではないでしょうか。

地域のお寺で帰敬式を受ける場合

もちろん、本山と呼ばれる東本願寺でのみ受けられるわけではありません。

別院と呼ばれる東本願寺の支院や、皆さんの近くにある真宗大谷派寺院でも帰敬式を受けることは出来ます。

私の住む石川県は真宗王国と言われ、浄土真宗のご門徒さんが多い地域です。その中でも真宗大谷派のお寺の数はおよそ864ヵ寺もあります。

しかし、毎日帰敬式が行われるわけではありません報恩講などのお寺の行事に合わせて行われることが多いです。

定期的に帰敬式がおこなわれるお寺と、帰敬式はおこなっていない寺院があるようです。

石川県の金沢市、金沢駅の近くにある真宗大谷派金沢別院では、毎年11月に報恩講が勤められ、帰敬式もその日程の中で行われます。

2021年ですと、11月17日に定員80名で行われたようです。定員いっぱいになり締め切られたみたいですね。

帰敬式を受け、法名を頂く方はまだたくさんおられるようですね。
金沢別院
21歳以上 20歳以下
15,000円 10,000円
東本願寺より少し高いですね。普段やらないことなので、人員などがかかるのでしょうか。

インターネットで[真宗大谷派 帰敬式]と検索すると、多くはありませんが各別院や地域、寺院で帰敬式をおこなったというページが出てきます。金額の載っていないページも多いですが、だいたい10,000円~30,000円という金額が設定されています。

礼金という書き方の他に冥加金という書き方も見受けられました。30,000円と設定されていた帰敬式には本山への冥加金10,000円を含むという書いてありましたので、本山へ収めるお金も含まれているようですね。開催される団体によって多少の違いがあるようです。

東本願寺で受ける場合に比べてやや高いですが、多くても10,000円~20,000円、このくらいの差です。

少なくとも、法名に何十万も必要だということはなさそうですね。

葬儀の場で帰敬式をする

東本願寺や各地域で帰敬式を受ける場合をご紹介しましたが、生前に帰敬式を受ける方は、日本で仏式の葬儀を行う人口に比べればまだ少ないと思います。

仏式の葬儀(浄土真宗)では、法名が必要です

仏弟子として送り出すという昔からの風習です。亡くなった方が極楽浄土に往生するために法名をつけるわけではありません。しかし、多くの人は浄土真宗と他の宗派の考え方の区別がついているわけではありません。一般的に広まっている往生するための名前として法名をお願いするのでしょう。

ご遺族からしても、あまり少なくても故人に申し訳ない。そこで10万円、20万円、30万円と金額が増えてしまう場合もあるのではないでしょうか。

どうしても俗名が良いという方は、お寺さんに相談すれば法名は要らないということも出来るのかもしれませんが、位牌に俗名が書かれているのはまだ、違和感がある方が多いのではないでしょうか。

位牌や法名を使わないくらい簡素化された葬儀であれば、法名もいらないかもしれませんね。

法名代はお坊さんのお布施の中に含んでも良い。

お寺さんに話を聞いてみると、真宗大谷派では、お寺さんから法名代を別に請求された場合を除いては、お坊さんへのお布施にこの法名代を含めても構わないようです。

各お寺さんによるので、葬儀の際に法名代として10,000円頂いているというお寺さんもあります。

先程も述べましたが、極楽浄土へ往生するために法名をつけて下さいという喪主側からのお願いというよりも、葬儀の際にお釈迦様の弟子として送らせていただきますねという葬儀の形式としての意味合いが強いからです。

形式として葬儀の際に法名を使いますし、その後も仏壇の中の掛け軸にご先祖の法名は残り続けます。

しかし浄土真宗は亡くなってからの世界よりも、今をどう生きるかを大切にする教えです。亡くなるときにつける法名に、教義的な意味合いは薄いでしょう。そのことが、比較的他の宗派よりも金額が安いということに表れているのかもしれません。

身近な方が亡くなったという精神面や、多忙であることは正常な判断が出来なくなってしまいます。必ず相談してください。
ABOUT ME
まんじ
石川県の終活アドバイザー。葬送儀礼について発信しています。