納骨の時期はいつが良いの?準備が整っていれば四十九日法要の時に。

「納骨はいつすればいいのだろうか?」

と気にされる方は少なくありません。納骨の時期は法律で決まっているわけではありませんので、ご遺族・ご親族の皆様の集まりやすい区切りの法事に合わせて行うことになります。

四十九日一周忌が多いのではないでしょうか。
決して法事に合わせてしなければいけないわけではありません。参列者がいるときに合わせて納骨をしてきたということです。

どの仏教の宗派でも、納骨の時期に決まりはありません。

納骨はいつするかは、最終的には準備が整った時となります。

納骨をする場所が決まっているか、これが一番です。それから季節はどうか、来られる方々の予定。これらの状況で決まります。

急がず焦らず、話し合って決めることを忘れないで下さい。

納骨する場所が決まっている場合

先祖代々のお墓寺院の納骨堂永代供養墓など、納骨の場所が決まっている場合には四十九日に納骨をされてはいかがでしょうか。

仏教において、四十九日法要は大きな区切りです。

今は法事も簡略化されることも増え、以前のように三十三回忌や五十回忌まで勤められることは少なくなってきました。

そんな中でも、四十九日を勤められる方はまだ多くおられます。

都会で四十九日がどの程度勤められているか、詳しい事情は分かりませんが、石川県では勤められることが多い印象があります。

そして四十九日は一番人が多く集まる法事でもあります。

日本では「仏様に成る」「行き先が決まる」、仏教の宗派によって多少違いはありますが大切にされる法事です。亡くなってからまだ間もないので葬儀においでた親族のほとんどを招待します。

四十九日の法要の後に、料理屋のバスで皆でお墓へ向かい納骨をすることが多いですね。

先祖のお骨があるお墓に故人のお骨が加わるその時は、子孫、縁あるものとして感慨深いものがあります。そしてお墓の前では自分たちが生まれたルーツを年配の方がよくお話をしてくれます。

いつもは頭に入ってこない話も、先祖の方々のの遺骨が目の前にあるお墓の前では聞き入ってしまうものです。

納骨の時だけ特別に普段は入ることの出来ない場所に入ることが出来る寺院もあります。

目の前で遺骨が納められる瞬間に立ち会った方は、次また遺骨の納められた場所に行こうという気持ちになりやすいのではないでしょうか。

ですから、納骨する場所が決まっている場合は人の多く集まる区切りの法事である四十九日に納骨されてはいかがでしょうか。

季節や親族のご予定

私の住む石川県では、1月~2月に雪が降ることが多いです。

その場合は交通に不便が生じますし、法事は勤めても納骨は先送りされることも多いです。

四十九日の法要の最後に、「落ち着いたら、家族で納骨させていただきます」と挨拶をし、時節が良い時に家族だけで納骨をしても良いでしょう。

季節や納骨場所が整っているならば、是非親族の方々には予定をつけていただきましょう。

しかしコロナ禍ですので、親族の気持ちへの配慮は必要ですね。

お墓を新しく建てる場合

散骨や樹木葬などが注目されている中、石川県ではまだまだ従来通りのお墓を求められる方もおられます。

お墓を建てるのには、一般的に2か月~3か月かかります。

故人が亡くなる前に準備していることもありますが、亡くなってから建てると四十九日には間に合いません。

その場合、百箇日新盆(初盆)一周忌に合わせてお墓を建てて、法事と納骨をされるケースが多いようです。

近年はあまり百箇日は行われていないかもしれませんね。仏教の行事ということで言えば、お彼岸も一つの区切りと言えるでしょう。

もちろん、これらの行事に必ず合わせなければいけないと言うことではありません。行事ごとには人が集まるので、そのタイミングでしているということです。

お墓が立ち次第、近い身内だけで納骨されても良いでしょう。

故人の魂が成仏出来ないから、いつまでに納骨しないといけないということはありません。納骨する時期について宗教的な決まり事は無いということは余計な不安を生まないために覚えておきましょう。

納骨の形は変わってきている

地域によって骨壺の大きさが違います。火葬後のお骨を全て拾う地域もあれば、一部を拾って後は火葬場で処理していただく地域もあるからです。

私の住む石川県の一部の地方では、火葬場から遺骨をもらうときに喉仏それ以外の部分を分けてもらいます。

喉仏が小さな骨壺に入れられ、それ以外が少し大きめの骨壺に入れられます。

そして慣習として大きな方をお墓に納骨し、喉仏を寺院に納骨してきた歴史があるようです。

お話を聞くと、浄土真宗のご門徒さんは、京都の東本願寺や西本願寺に納骨に行かれた方も多いです。

しかし今は中々簡単に京都に皆で納骨しにいくことが出来ません。高齢化もありますし、京都にお骨があると手を合わせにいくことが難しいからです。

そのため、喉仏は葬儀をしていただいた寺院に納骨をするか、家のお仏壇に置いてある方もおられます。二つともお墓に入れる方もおられます。

最近は遺骨を粉末化しいてペンダントに入れて持ち歩いたり、ミニチュアな骨入れを作って家に置いておくことも普通になってきました。

納骨をしないという選択をされる方もおられるのです。

ですから、納骨の時期に迷われることよりも、どのような供養の形を選ばれるかをしっかり考えていただきたいと思います。

上でも触れましたが、おそらく、納骨の時期を気にされる理由の一つには、早く納骨しないと魂が成仏しないのだと言われてきたことがあります。

しかし、供養の形は納骨だけではなくなったのです。先祖を敬うという供養の気持ちをもっていれば、納骨の時期はあまり気にしなくても良いと私は思っています。

一般的な時期ということでこの記事が参考になればと思います。

ABOUT ME
まんじ
石川県の終活アドバイザー。葬送儀礼について発信しています。