お通夜や葬儀で家族を亡くした遺族にかけたい言葉

お通夜や葬儀での、遺族への声の掛け方にはだいたい決まったものがあります。

「この度はご愁傷様でした」
「お悔み申し上げます」

これらを申し上げれば、失礼には当たりません。

親しい友人であっても厳粛な場でありますので、いつものようにフランクにというわけにはいきません。簡潔に、そして失礼に当たらない言葉が上のような言葉です。

しかし定型文であるが故に、

「もう少し自分の気持ちを伝えられたら良いんだけど・・・」
「言葉足らずじゃないのかな・・・」
「ちょっと仰々しくて・・・」

と思われたことがある方もおられるのではないでしょうか。

駆け付けてくれたことが一番の気持ちですので、多くの言葉はいらないのですが、かけてあげられる言葉をまとめてみました。

お通夜や葬儀の場で、ご遺族の心情を考えかけないほうが良い言葉などもありますので、参考にしていただければと思います。

遺族にかけないほうがよい言葉

故意に人を傷つけようとした言葉でなくても、気持ちが落ち込んでいるときには悲しい気持ちや苦しい気持ちになってしまうことがあります。

遺されたご遺族が故人の死を受け止めている最中にかける言葉としては、気を付けたほうが良い言葉があります。

一般的にお通夜や葬儀の場ではかけないほうが良いとされる言葉を挙げてみます。

故人の死因を聞く

通夜や葬儀の席で故人を亡くし、辛い思いをされている方に、亡くなった原因を聞くことは失礼なこととされています。事前に知っていることが多いかもしれませんが、もしまだ知らなくても遺族に直接聞かないようにしましょう。

突然であればなおさら、亡くなった理由は気になるものです。

私は恥ずかしながら聞いたことが何度もあります。

「がんだった」、「最後は肺炎だった」と教えて下さいますが、こちらから聞いておきながら「そうなんだ・・大変だったね」としか言えません。

あまり時間がある場でもありませんので、それだけで会話が終わるとバツの悪さが残る場合があります。後日お会いできるならば、その時にゆっくりとお話を聞いてあげて下さい。

忌(い)み言葉

「忌み言葉」は御存じでしょうか?

浄土真宗では「冥福を祈る」「御霊前」という表現はしません。ただ、実際には普通に使われています。

これらはマナー違反とされている言葉です。

しかしどの年代の方と、この忌み言葉についてお話をしてみても、そこまで考えていないという方が多い印象を受けます。考えすぎると弔いの気持ちが伝わりにくいですし、そもそもこの「忌み言葉」自体あまり浸透していない気がします。

以前、葬儀での言葉遣いがテレビで取り上げられていました。

喪主側が使う言葉ではありますが、「忙しい」という言葉があります。

「お忙しい中有難うございます」

よく使われる言葉です。しかし、「亡」という字が入っているために、「ご多用の中ありがとうございます」とするのが正しいとのことでした。

視聴者からは、「注意します。勉強になりました」という声と共に、「『お忙しい中ありがとうございます』と言って怒る人いるの?」という意見もあったようです。専門家の方も「亡」がダメだったら、「望む」とか「荒木さん」もダメになってしまうじゃないかとTwitterで怒っていました。

「亡」という字が不幸を連想させるということですが、どうでしょうか・・

マナーを守ることは大切ですが、なぜマナーがあるのかと考えれば、人の集まる場であること、そして故人や遺族に敬意を払うためです。

必ずしも伝わってきた決まり事が正しいわけではありません。細かい言葉遣いまで気にする人は減ってきているでしょう。皆さんも周りの方に是非聞いてみて下さい。

気遣いの言葉

ネットで探してみたり、知人に相談して考えてみましたが、特段今まで考えたことのないような変わった言葉ではありません。

一言で相手にぬくもりを与えられる言葉など、中々ないのかもしれません。

親が亡くなったのか、祖父母が亡くなったのか。そのときのご遺族の立場に立って想像してみましょう。

落ち着いたら連絡して

ご友人の場合には、あなたが落ち込んだ気持ちを和らげることが出来るかもしれません。

落ち込んでいたり悲しんでいるときには、誰かが話を聞いてくれることが一番の薬になるであろうことは、もう一般的です。

しかし、家族が一人亡くなられたわけですから、今日明日に予定を作れるわけではないでしょう。

励ましたいという気持ちを、「今は難しいだろうけど、近いうちに会おう」と短く表して伝えてあげましょう。心強く思ってくれるのではないでしょうか。

「こちらから連絡するね」でも良いかもしれません。

〇〇さんにはお世話になりました。

地域の関係やお仕事の関係で故人にお世話になった場合、その気持ちをそのまま伝えるのが良いでしょう。

自分の身内が慕われていたことを、葬儀の場で初めて知ったというエピソードを終活関係の本などでよく読みました。知らなかった故人の一面を知れて、葬儀をして良かったと思う方もおられるようです。

「よくご飯に連れて行ってくれました」
「不安だった時に声をかけてくれて相談にのっていただきました」

お世話になったその内容でも良いと思います。余程仲が良かった関係でない限り、家族の交友関係はあまり知らないものです。特別に親しかったというわけじゃなくても、お世話になったことを伝えられた遺族は嬉しいものです。

故人との関係によっては「優しくしていただきました」、「色々教えていただきました」の一言でも良いかもしれませんね。

無理せず、体に気を付けてね

友人にかける言葉としては、こちらもよく聞く言葉です。

しかしわざわざ弔事に駆け付けてくれて声をかけてくれるのです。

無理をしたくなくても、しなければいけない時もありますし、身体に気を付けても調子を崩すことも多々あります。身近な人を亡くした時にはなおさらのことです。

声をかけられたからといって体調を崩さないわけではありません。しかし駆け付けて声をかけてくれる人がいることは大きな励みになると思います。

「くれぐれも」や「どうか」を前につけるとより丁寧になります。

どうでしたでしょうか?他にも良い言葉がありましたら、「こんな言葉あるよ」とよかったら教えて下さい!

 

 

 

 

ABOUT ME
まんじ
石川県の終活アドバイザー。葬送儀礼について発信しています。