香典返しにはどんなものが贈られているの?

香典のお返しは?
と聞かれたら、皆さんは何を想像されるでしょうか。

定番のものもあれば、香典返しには好ましくないものもあることは御存じでしょうか?

香典返しは人生の中で何度か考えることがありますが、何にするか迷われる方もおられます。

弔事のことはどうしても地域によるので、ただ一つの正解はありませんが、基礎知識として参考にしていただければと思います。

何を送るかは迷ってもいいんです。基礎知識を押さえておけば迷う時間は短縮できるでしょう。

香典返し定番の消え物

使うとすぐに無くなるもの、又は減っていくものを消え物と言います。多くの食品や日用品はこの消え物の中に入ります。

不幸を残さないようにと消え物が香典返しの定番に使われます。

お茶コーヒー、日持ちのするお菓子海苔お茶漬けなどが食品の定番です。

お茶はあまり好き嫌いに左右されませんし、長期間保存が出来ます。お仏事にもお茶は必ずあるものですし、お返しとして非常に適したものでしょう。

個人的にですが、温かいお茶を飲むと時間がゆっくり流れていく気がします。そういった時間が必要なときかもしれませんね。

コーヒーも定番です。食べ物よりは賞味期限も長いですし、最近はコーヒーが好きな若者も多いですよね。毎朝コーヒーを飲む人も多いと聞きます。カフェオレやココアやミルクティも織り交ぜてくれると私は嬉しいです。

日用品であればタオルハンカチ洗剤石鹸などがよく贈られるのではないでしょうか。消耗品ですので助かりますね。相手の方が使っているものと同じものになるとは限りませんが、もらったものは使ってくれるでしょう。ファミリーにはなおさら嬉しいでしょう。

私は普段は保険会社などからもらったタオルや安いものしか使わないので、香典返しでもらったものは高級感があって中々使えません。上品な生活をしていないので。フェイスタオルやバスタオルを予算に合わせて選ぶことが出来ます。

タオルやハンカチは「悲しみをぬぐう」
石鹸や洗剤は「悲しみを洗い流す」
という意味が込められていると言われています。



香典返しに好ましくないもの

四つ足生臭もの

四つ足生臭ものとは、お肉生魚のことを指します。

仏教には故人が亡くなってから四十九日まで、精進料理を食べる風習があります。今はその風習を厳格に守っている地域がどれだけあるのか分かりませんが、贈ると失礼に当たる可能性があるので注意が必要です。

私の友人が子どもの頃、おじいさんが亡くなったときに家族は四十九日まで精進料理だったそうです。しかし友人と友人の妹は、おばあちゃんに「あなたたちは大きくならないといけないから食べなさい」と言われて食べていたような気がすると言っていました。

殺生を思わせるものは避けるということですね。

お酒。鰹節。昆布。

神事で使われるものや、結婚式のお返しに贈る定番であるものは避けます。

お酒は消え物ではありますが、お祝いの席でよく振舞われるものなので、香典返しにはふさわしくないと言われています。

しかしお酒は好きな方が多いでしょうし、故人が好きだったということも多いです。そのようなことが了承し合えている間柄であれば構いませんし、カタログギフトから相手に選んでもらう分には問題ありません。

私はお酒が入っているカタログを頂いたことはありませんが、お酒専用のカタログもあるようです。

鰹節は慶事で使われるものです。結婚式の引き出物としてよく使われてきました。勝男武士鰹夫婦節など、縁起の良い当て字をされ、お祝いの席に登場してきました。

鰹が鰹節になる過程には、背側と腹側に切り分けられるのですが、背側を雄節(おぶし)と言い、腹側を雌節(めぶし)と言います。この雄節と雌節を新郎新婦と見立てて、一つの形になる。夫婦円満に結び付けられているのです。

料理に欠かせない物でもありますしね。昆布は「よろこんぶ」だからで良いです。

金券。商品券

商品券金券など、受け取った方に金額がわかるものは避けた方が良いと言われます。金額が記されているので「お金」と受け取る方もおられるようですね。香典というお金に対してお金で返していると捉えられるのは良くないかもしれませんね。

昔からの慣習を重んじる年配の方に贈ることは避けたほうが良いでしょう。そもそも、目上の方にお金を送ることはマナー違反とされますので。

しかし私個人的には、買うものをある程度自由に選べますし、受け取った側は嬉しいのではないかと思います。香典返しに限りませんが、もらって嬉しい贈り物のランキングにも商品券はランクインしているようですね。

私の地元では、香典返しに700円のビール券が3枚入っていることが多いです。

最近の流行りはカタログ

インターネットで香典返しを検索すると、百貨店のカタログギフトがよく出てきます。

日用品の種類も豊富で、ベルトやかばん、小物入れなどもあります。最近のカタログは食べ物や日用品にとどまらず、体験や旅行なども商品として載っています。

カタログ代や事務費がかかるので、払った金額と同等な物が載っているわけではないでしょうが、特に金額が大きくなればなるほど魅力的なものがたくさんあります。カタログは贅沢な感じがしますよね。

受け取る側の年齢や性別は様々でも、受け取った側が商品を選べるというのが最大のメリットです。不要なものを贈ってしまうことはないでしょう。

もらった時点では金額も分かりません。調べれば分かりますが。様々な値段のものがありますので、どの予算にも合わせられるということもメリットと言えるでしょう。

お酒もお肉もカタログなら良いと言われています。



デメリットは、「手を抜いている」、「心がこもっていない」という意見があるということでしょうか。香典の「即日返し」であれば同じカタログになりますが、高額を頂いた方への後日のお返しは、相手のことを考えて選ぶようにしましょう。

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まんじ
石川県の終活アドバイザー。葬送儀礼について発信しています。