先祖への挨拶、お墓参りはしていますか?

終活で大切なことの一つにお世話になった方への挨拶があります。

感謝の意を伝えることは、伝える側も伝えられた側にもとても良い穏やかな気持ちをもたらしてくれます。

それは生きている人同士だけではなく、お会いしたことのない御先祖であっても、すでに亡くなった方であってもお墓の前で伝えることは出来ます。

お墓参りは、近ければいつでも行けると思い中々足も向かないという方も多いでしょう。

しかしお墓参りを終えた時には、なぜか清々しい気持ちになっていたという経験はありませんか?

そしてその気持ちは日常生活へも影響していくものと私は感じています。

この不安の多い社会の中では、モヤモヤした気持ちになることも多いです。そんな時に自分が生まれたことそのことが有難いことだと感じさせてくれる場所は私たちにとって貴重な場所ではないでしょうか。

日本にはお盆お彼岸などの慣習がありますが、家の繋がりが薄れ、先祖に手を合わす場所や時間がどんどん薄れていっています。

今回はお墓参りのときに私たちの中に生まれる気持ちを3つ記してみます。今更言われるまでもないことばかりですが、改めて思い出してみなければ普段は浮かんでこない気持でもあります。

大切なことを思い出す場所や時間が私たちには必要で、それがお盆や彼岸などの年間行事、そしてお墓や仏壇などの場所です。

この記事を読んだことを機に、お墓に足を運んでみようかなと感じていただければ幸いです。

お世話になった故人への感謝

お墓へ行ってこの気持ちを表さない方はいませんね。

もちろんお墓でなくても、お世話になった人への感謝の気持ちはもつことは出来ます。出来ますが、このお墓という場所で亡き人を感じることが、私たちの中から感謝の気持ちを引き出してくれます。

日頃私たちは考えることが多く、感謝をすることに中々時間を使えません。改めて場を設けて、お花蝋燭をお供えし、感謝をすることに集中する時が私たちには必要なのではないでしょうか。

人生をより良く生きていくために、周りの方々との人間関係はかかすことの出来ないものです。そして良好な人間関係は感謝抜きにはつくられないと思います。

しかしいきなり「感謝することが大事だよ」と言われても、すぐに実践することなど出来ません。「言うは易し、行うは難し」です。

亡くなった方に頂いた御恩は供養することでしかお返しすることが出来ません。まずは自分がお世話になったその人の前で供養の気持ちを表し、その御恩を周りの人に振り向けていく。

自分以外の人への接し方が、そのまま自分へと返ってきます。お世話になった方への供養をきっかけに、より良い人間関係を気づいていければ、何よりの供養になりそうですね。

我が家のお墓には、解脱というめずらしい字が掘ってあります

御先祖への感謝

私たちは直接お話をした、お世話になった故人には親しみをもちます。今では代々のお墓にお骨を入れるのではなく身近に置いておくことの出来る手元供養という供養の方法も人気になってきています。

しかし、会ったことのない御先祖の方々も多くおられます。その方々のことを決してないがしろにしているわけではありませんが、やはり直接会った方々に比べると挨拶はおろそかになってしまうでしょう。

しかし、御先祖がいたから祖父や祖母がいて、父や母がいます。そして私がいます。頻繁には難しいかもしれませんが、御先祖の存在を感じることは私が生まれたことの尊さを感じさせてくれます。

普段、何かしてもらったときには感謝をする私たちですが、その何かしてもったときの中に「私が生まれた」ということは入っているでしょうか。

御先祖の前で手を合わせる。生きているということへの感謝の気持ちが生まれる。そしてそれはこの社会の中で自己を肯定することにも繋がっていくと思います。

理屈ではなく、私まで命が繋がってきたということに心動く、感動する。

是非、折に触れて御先祖へ挨拶にいってくださいね。

母と行ってきました

反省とこれからの誓い

お墓参りを通して、供養をする、挨拶をする。その中で一番大切と言っても良いのが、これから私たちがどう生きていくかを考えさせられることです。

お世話になった方々や御先祖の方々に供養や挨拶を出来る方が、今現在の人間関係を断絶しているとは思いませんが、そのような方であっても人間関係は常に上手くいくとは限りません。

人間関係において(もちろん仕事や家庭など全てに関わりますが)私たちに必要なのは、上手くいかなかったことをしっかりと反省し、次に繋げていくことです。

お墓参りだけに限りませんが、供養を勤められた方々は皆、気持ちに一区切りつけられています。ここからまた新たに前に進みだそうと気持ちを切り替える効果が儀式にはあるのでしょう。辛いことがあったり、悲しいことがあったりしたときに私たちは落ち込みますが、いつまでも同じ気持ちでいるわけにはいきません。

起こったことを受け止め、そしてこれからのことを考えていくことが大切です。

黙って受け止めてくれるお墓という空間で御先祖やお世話になった方に、人に話せないことなども、話してみて下さい。

変わらない毎日の中に心に何かを訴えてくる場所がお墓だと思います。

是非お墓に足を運び、お参りや掃除をされてみて下さい。

偉そうに言う私もお盆などの日以外には全然行っていませんでした。思い立ったら行きましょう!
ABOUT ME
まんじ
石川県の終活アドバイザー。葬送儀礼について発信しています。